2022-03-15

春のお菓子を。

 

















軽井沢の零下な日々が終わろうとしています。


” 冬 ”  がまだ残るカラダと、

” 春  ”を求めるココロを満たす

お菓子がつくりたい。

悩みながらあれこれ品を変え型を変え、

試作とリセットの末、

結局、この5種類になりました。


①シトロン(無農薬国産レモンと蜂蜜のケーキ) 1台

国産の無農薬レモンはこの季節、完熟を迎えています。

お砂糖を減らして日本の蜂蜜をたっぷり使い、

爽やかだけれどまろやかな、ホッとするお菓子。

パウンド型とは違う、この型ならではの食感は

しっとりとして、且つ口溶けがよいです。


②ラムレーズンサンド 3個

渋みのあまりない有機レーズンを、この日のために

ラム酒に漬け込んでおきました。

バタークリームはミルキーで、

ラムレーズンの強烈な甘さを包み込みます。

サブレは片側に少しホワイトチョコを施し、

サクサク感を維持しています。

アーモンドスライスをあしらっているのは、

+αの味わいが出るからです。

なるべく形の良いスライスをと

腰をかがめて探すのですが、

なかなか見つかりません。。。

   

③プラリネガトーショコラ 3個

ローストして粉砕したヘーゼルナッツを粉類に忍ばせ、

ヴァローナのプラリネチョコと55%のスイートチョコで

フレンドリーなガトーショコラを焼きました。

削ったプラリネチョコを仕上げに少しプラスして、

ナッティーの背中をちょこっとだけ押してみました。

重厚な冬のチョコ菓子というよりも、

春へと向かう、かるい足どりのショコラです。   


④胡桃のビスコッティ 3本 

毎度なのですが、味わいのほか日持ちや

栄養素的にも優秀◎なビスコに決定。

   

⑤ポルボローネ 1袋(10粒入り)

毎度毎度なのですが、姉に「絶品」と言われ、

ご近所さんに「孫が大好きで」とお声がけいただき、

友達に「ボーロ、美味しいね」とメールをもらい

気を良くしてせっせと生地を丸めています。

気づいたら背中もかなり丸めています。


   

「美味しい・安心」は当然のこととして、

お菓子の内容・値段・箱・季節(材料や送料)、

環境負荷を減らして無駄がないように

考えて考えて考えて導き出される答えが

いつも同じお菓子に帰着してしまうのは、

「不思議」なのに「納得」でもあり。


何にしようか考えあぐねてネットサーフィンしていた時、

「チョコレートマドレーヌのフィナンシェ

 自家製オレンジと紅茶を混ぜ込みました♡」という

?????? ? な お菓子を見つけて......

チョコレート味のマドレーヌ。

え?フィナンシェなの?(←うろたえる)、

オレンジと紅茶まぜたの??(←大混乱)。


我が社「ありんこ菓子店」は、想像しやすい、そして

想像を超える直球ストレートなお菓子を目指そうと

決意を新たにしたのでした。


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迷ったのですが、今回はチルド便であったり、

情勢も刻々と変化しているため、

ドライブスルーはやめておきます。

ご容赦ください。
















無力感に覆われていた時、
目にした映像には、
チョコレートを握って泣いてる男の子、
ポーランドの家庭で
林檎タルトに頬が緩んだ男の子がいた。


用事を週1にまとめて車を出していたが
2週に1度にし、
キッチン以外の電球をほとんど外し、
契約アンペアを下げ、
猫用以外の暖房を全て消し、
お湯は極力使わない。
無駄なエネルギーは一切、使わないと決めた。

エネルギー資源が、独裁者の切り札だから
ささやかでも抵抗する。


材料も光熱費も上がり続けている。
廃業することもずっと頭から離れない。

でも、私はお菓子を作ろうと思った。

春が来ないなら、
自分から、春に近づくのみ。



2022-03-01
















早朝のキッチンの温度計が2.6℃、

のぼってきた太陽がもみの木の隙間に現れて、

心は暖まった。



2月の中旬ごろ、一度お菓子の波が来たのだが、

雪かきの日々を送っていたら遠のいてしまった。


最初に降り積もった30センチの白いかたまりを

先を見越してどこにもっていくかが、何しろ大事。


屋根の雪が雪庇となってやがて落ちる日の

温度と湿度を見積もって、

角度的に車や人が安全な場所を確保して、

除雪車が通った大きな轍を固まる前に撤去して、

と自分と監督(雪かきの自分)が一体となって

雪と格闘して一日が終わる。


そして朝起きるとあっさりリセットされていて、

屋根の雪が雪庇となってやがて落ちる日の

(以下同)。


気づけば霜やけで手がパンパンで、

終末の父のように手袋をして寝ている。


でも今日は、戸棚のアロマクリームが

バタークリームのように滑らかで、

春を感じた気がする。


感じた気がするのだが、

世界の情勢が飛び込んでくるたびに

心の春はまた閉ざされてしまう。



西ドイツに住んでいた子供時代、

とあるフェスティバルのために

車で西ベルリンに向かっていた。


東ドイツを一旦通らなければならないから、

国境の手前で後部座席にいる私たちに

「熟睡しているフリをしなさい」と

父は静かに強く言った。


日本人は微笑みで挨拶するものだが、

何も知らずに笑顔で東側に行こうとすると

「今、笑ったな。こっちへ」と連行されるのだ。

子供であることなど全く関係がなかった。


あの記憶が、よみがえってしまう。



避難所で猫を抱いている人を見た。

猫はただ恐怖の中にいる。

熟睡しているフリも出来ずに。

寄り添う人間はなすすべもなく。



クリスチャンではないが、

ただただ祈っている。


どうか、

一秒でも早く、

無益な戦いが終わりますように。