先月だったか、好青年がふらりとご来店。
真顔で
「何で、月数回しか開けないんですか?」
と問い質された。
*
もしも「過去に戻れるなら、いつがいい?」
という質問だったら、
迷いなく「高校時代」と答える。
小学校低学年で訳もわからずドイツの現地校に放り込まれて、
砂を噛むような5年を過ごした。
夢に見た帰国のあとは、
5年のブランクを埋めるために
ほとんどの時間を勉強に費やした。
帰国子女枠ではなくて、自力で、目指している高校に入りたかった。
高嶺の花だった高校に合格してからは
カラーフィルムで映像が流れ出した毎日だった。
親に強制消灯されるまで勉強もしたし、
授業が終わってから皇居も必ず走った。
親友と毎日(同じクラスなのに)手紙を交換したり
憧れの人を教室の窓から探したり
初めて自分の選んだ環境で、
幸せを掴んだ。
けれども、高二の夏に過労で入院。
以来、本当に無理が効かなくなってしまった。
大学は下見もせずに受験面接もなく入学してサークルも入らず火の車と母に言われて以来
お昼ご飯も食べず就職して
・
・
・
頑張った時期も何度もあったけれど、
・
・
・
一見、省エネモードで
・
・
・
・
・
・
今に至っている。
*
営業日にお菓子を、
足りなくてガッカリされるより売れ残ってもいいから
作りたいだけ仕込んで
集中して取り組むと
月に数回しかできなくなってしまったんです
と正直に答えたけれど、
変なお菓子屋だと思われただろうか。
*
今月の営業と今年のシュトレン、
本当は棄権しようと思っていました。
でも、営業日に皆さんに励まされて
また歩くようにマラソンし始めています。
今年の店舗営業にご来店ありがとうございました。
次回は今年のシュトレンの通販の概要をお伝えしますね!
*
余談:もしも願いが叶うなら、もう人生の最後のほうだから、自分の家族がほしいな。