2016-10-18
YOU SAY ?
言語能力に乏しい。
文章における読解力、言葉のヒアリング。
どちらも、心の中で形として残らなくて、何度も読み直したり訊ね返したり。
特に、美しい佇まいの文章は内容が残らない。形に気を取られてしまう。
隣のおじさんが、
「てっしゅぼくすいぐ?」と言うので、
「てっしゅぼくすいぐ?」?と音を復唱したら、
「てっしゅぼくすいぐ??」ともう一度言い直してくださった。
「…はい。」と言ってみたら、
手に渡されたのは、手作りのティッシュペーパーボックスだった。
キャッチできる音の範囲狭し。
「ありさんて、森の妖精みたい」と初めて言われたとき、
妖精って妖精って妖精ってフェアリーのあの愛らしい感じの妖精ってこの方目が悪いのかしらいやいやそんなこと失礼な妖精って妖精って妖精だって(ニンマリ)。
としたものだったが、何人かの人に何度か言われるうちに、
妖精って妖精って妖精ってはっ「妖怪か!」(ガッテン)。としばらく腑に落ちた後、
そうか!妖精って言われるのは、姿形じゃなくて、何で生きてるのかわからないって意味だったんだ、と数年後にやっとこさ理解。
例えが婉曲的なのも苦手だ。直球ストレートじゃないと。腹が立つ時は「ちゃぶ台持ってこい!」とか、しんどいときは「立つんだ、ジョー!」とか、それならわかる。
あのときは運転手をしていた。のせていた方は編集者で、言葉のプロだ。
こちとら言葉はアウエーで、運転手も得意ではなく、しかも連休中の道路で、前々日からの寝不足で頭の言葉ゾーンが自動的に省エネモード。
何を話しても会話がちぐはぐで噛み合ず、地雷を踏んでしまって不穏な空気。そしてしばしシーーーンとした後、何を言われるかと萎縮していた耳に入ったきたのは、
「ありさんの、ナッツが入っているヤツ、あれ、世界一好き。」
え、いまなんて?
「パウンドケーキ、世界一好き。」
その夜はパウンドケーキを枕にして寝た(←婉曲的表現)。
いい夢が見られる気がして。
ただの爆睡だったけれど。
美しい言葉や文章より、わかりやすいのが一番好きだ。
以上、言語能力欠如の詫び状おしまい。